HPとPA RISCのLSIの共同開発をすることになり、88年から90年にかけて何回も相互に訪問しあった。私自身もこの間にHPのパロ・アルトやクパティーノの工場を6回訪問した。
ある時、HPがフランス料理のレストランに招待してくれた。PA RISCの生みの親であり、私がRISCを始めるきっかけになった論文の著者のバーンボーム(Birnbaum)博士が同じテーブルだった。
私はバーンボームさんに聞いた。
「メインフレームの将来はどうなると思いますか?」
「まだ続く。すぐにはなくならない」
というのが、バーンボームさんの答えだった。時期の問題はあるが、私にはちょっと意外な回答だった。同席していたHPの人が、
「でも恐竜は絶滅した」
と反論をとなえた。バーンボームさんはRISCの急先鋒と思っていたが、予想していたより現実的な人だった。
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