はじめに

私は1986年2月から1990年8月まで、日立製作所の神奈川工場でプロセッサ第2設計部を担当していた。これはその時の話である。もっとも86年に私がこの部の部長に任命された時の部の名前はDIPS設計部だった。

表題のM-620/630はこの部が担当していた小型汎用コンピュータの名前である。またHARPは、私の在任期間の後半に開発が始まったRISCの名前である。

部の仕事としては、これらの他に、M-620/630をベースにした端末コントローラの開発、M-620/630の後継製品であるM-840の開発、レーザービーム・プリンタの制御装置の開発等、いろいろあった。

本書は部全体の多くの仕事の中から、私にとって特に思い出深い話を断片的に取り上げたものであることをご了解頂きたい。

何せ10年以上前の話で、記憶もあいまいで手元に資料もほとんどないので、もし記憶違いがあったらご容赦頂きたい。


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