ペルージアもアッシジと同じように山の上に作られた町である。と言っても、アッシジは人口25,000人の、教会の門前町だが、ペルージアはウンブリア州の州都で、人口14万人のかなり大きな都会である。
海抜は493メートルだそうで、鉄道の駅からバスで15分ぐらい山道を登ったところにある。まわりにいくらでも平地があるのに、どうしてこんな山の上の不便な所に町を作ったのだろう。鉄道の駅とか自動車道路へ出るのに大変だ。
ガイドブックによると、もともとはエトルリア人の要塞だったそうで、山の上に要塞を作るのはエトルリア人の常だったという。いつ町ができたかははっきりしないが、紀元前6世紀ぐらいだという。それ以来ずっとこの不便なところに住み続けてきた保守性には驚かされる。ずっと住んでいれば、住めば都で、いい点もあるのだろう。
町の中心に、11月4日広場という広場があり、そのまわりに大きな宮殿や教会がある。広場からちょっと奥に入ると、古びた街並みに出る。多分何百年も前のままだろう。中世の町に迷い込んだみたいだ。時間が許せばスケッチをしたいところだった。
広場の宮殿はプリオーリ宮と呼ばれ、現在は市庁舎と美術館に使われている。
美術館を見た後、ジェラート屋でイタリアのアイスクリームを買って食べ、タクシーで駅に戻ろうとしたら、いくら待ってもタクシーが来ない。予定のフィレンツェ行きの列車に間に合わなくなりそうではらはらした。これを乗り過ごすと、もうその日はフィレンツェ行きがないので、ペルージアで泊まらなければならなかった。
やっと来たタクシーに乗り、運転手に急いでもらったら、バスとは違う近道を行ってくれて、予想より早く駅に着き、どうにか列車に間に合った。
何とも交通が不便な町だということを身を持って実感した。
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