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パドヴァ

クリーンルーム並みの礼拝堂

ヴェネツィアから日帰りでパドヴァにでかけた。パドヴァまでは急行で30分ぐらいなので楽に行ける。arena.jpg (31576 バイト)

鉄道の駅から町の中心の方向に歩いていくと、古い城壁のようなものがある。これはローマ時代のアレーナの跡だそうだ。航空写真で見ると、現在は楕円形の壁だけが残っている。これは紀元1世紀に建てられたものだそうだ。パドヴァはローマ時代に大都会だったのだ。

このアレーナの跡に隣接してスクロヴェーニ礼拝堂がある。

この礼拝堂にはジョットの壁画があってよく保存されているというので行ってみた。

入場券を買うと、何時何分に遅れずに入口に来てくれと言う。その間に、隣りの市立博物館をちょっと見て、指定に時間に礼拝堂の入口に行くと、集まった20人ぐらいの人がガラス張りの密室に入れられて、入口のドアが閉まってしまった。そこで15分間待たされた。

その部屋の壁には、いかに壁画の保存に力を入れているかをくどくどと書いた説明が貼られていた。この密室は外気を遮断するためと、衣服の埃を取り除くためにあるのだという。

散々待たされて、前の一組が礼拝堂から出てくると、第2の密室になっている廊下を通ってやっと礼拝堂に入れた。いったん入ると、15分間はジョットを見ていなければならない。一人だけ早く出るのは許されないのだ。

ここのジョットの壁画は、自慢しているだけにさすがにきれいだった。1305年前後に描かれたものだという。アッシジのサン・フランチェスコ教会のものは1290年から1300年にかけて描かれたというので、こっちの方が10年ぐらい後に描かれたようだ。アッシジのものは聖フランチェスコの伝記だが、ここのものはイエス・キリストの話である。

それにしても、保存に力を入れるのは結構だが、もう少し時間の効率も考えてもらいたいものだ。半導体を製造するクリーンルームの入口で使うエアシャワーのような装置を使えば、1分もかけなくてもきれいになるのにと思った。

おかげでパドヴァでは他のところを見る時間がなくなってしまった。


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