イタリアの町は、統一国家の形成が遅かったためか、今でもそれぞれ個性が豊かで面白い。そして、鉄道や車を使う現代の生活から見ればおよそ不便だと思うのだが、何百年も前とあまり変わらない町で今も生活していることに感心する。
イタリア人は男も女もおしゃれだ。休日に町をぶらついている男でもジャケットを着、ネクタイを締めている人が多い。身なりがきちんとしている割には、われわれ日本人から見ると、言うことがい加減で、時間にもルーズだ。
しかし、言う方がいい加減なら、聞く方もいい加減なので、明るく楽天的で、何事にもフレキシブルなイタリアの社会の微妙なバランスが保たれているのだろう。旅行者がとやかく言う筋合いのものではない。あまり正確さや几帳面さを求めると、せっかくのイタリアのよさが失われてしまう。
前にもミラノとか北の方の町には行ったことがある。しかしナポリとか南の方には今回も行かなかった。南の方に行けばまた町の雰囲気も人の気風も違うのではないかと思う。
機会があったら今度は南の方に行ってみたいと思う。
(完)
2001年2月
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