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小さなレストランで食事

夕食は、パリに毎年行っている従兄弟に行きつけの店を教えてもらって、主としてそこに行った。一軒は、滞在していたホテルから歩いて2分ぐらいのところにあるル・ガヴロシュ(Le Gavroche)という店だった。予約しておかないと駄目だということなので、予約の電話を入れておいたが、行くともうほぼ満席で大変な賑わいだった。外国人の観光客が見当たらないところがいい。

決まったメニューなどなく、当日のメニューを黒板に乱暴な字で殴り書きしてある。半分も読めない。また、読めても意味が分からないものが多い。料理を頼むと、それをテーブルに敷いてある紙に殴り書きする。これでよく料理人にちゃんと伝わるものだと感心した。

ここでは、テリーヌとマスタード味のステーキを食べてみた。味は一工夫してあってなかなかだった。こういう気取らない店がいい。

 

もう一軒、モントルゲイユ通りに近いレオポルト・ベラン通り(Rue Léopold Bellan)にあるLe Domaine Léopoldという店を教えてもらったので、ここへ行こうとしたが、いくら捜しても店が見つからない。予約の電話はできたので、店はあるはずだ。どうしても分からないので、別の店の前に立っていたウェイトレスらしい女性に聞いても、知らないという。もう一度今来た道を戻ると、Le Léopldという店があったので、ここで聞くと、

「ここです」、と言う。聞いた名前と違う、と言うと、「最近名前を変えました」、と澄ましている。まったく困ったものだ。

ここでは、フォアグラ、鴨の胸肉などを試してみた。ここも結構な味だった。

ここは、今回の旅行で、予約の電話の英語が通じなかった唯一の店だ。しかし、この店のオーナーは流暢な英語を話し、帰るときは店の外まで出てきて、ホテルまでの道順を教えてくれた。来るときは地下鉄を使ったが、歩いてもたいして時間はかからなかった。

 

娘の友達がポン・ヌフ(Pont Neuf)の近くのオーベルジュ・カフェ(Auberge Café)というレストランでデザートを担当しているというので、昼食に立ち寄った。ここはシェフが1人でやっている小さなレストランで、我々は魚料理やキッシュを頼んだ。

娘の友達はフランス人と結婚していて、前日に男の子を連れてホテルを訪ねてくれた。前に行ったフィレンツェのレストランでも日本人の女性が働いていた。海外で一人で生活している日本の女性の逞しさには感心する。

 

パリの最後の夜は、レ・アールに近いオ・ピエ・ド・コション(Au Pied de Cochon)に行った。ここの魚介類が気に入っているのだが、前回来たときは、「1回はレストランの名前になっている『豚の足』を食べないと」と思って食べてみた。しかし、まったく期待外れだった。いや、予想通りと言うべきかもしれない。そこで今回は、その思い出を打ち消すために、オマールエビ、ムール貝、エスカルゴと魚介類ばかりを選んだ。

前に何回か来ているので、近くのレ・アールで地下鉄を降りれば分かるだろうと思っていた。しかし、地下街がとてつもなく広いため、とにかくまず地上に出た。ところがまったく見当がつかない。たまたま歩いていた学生らしい二人連れに聞くと、スマートフォンを取り出して調べてくれ、駅の反対側に出てしまったことが分かった。反対側に行くには、一度地下街に戻らないといけないとか、地上でも行けるとか二人で話し合っていたが、地上の道でも行けそうな様子なので、そうすることにした。そんなことをしていたため、予約した時間を30分以上遅れてしまった。

ここは大きいレストランで、日本人も含め、外国人の客も多い。一般的には、こういう店は敬遠するのだが、ここは大丈夫だ。今回は隣のテーブルで常連客らしいえらく太った男が一人で次々と料理を平らげていた。生活習慣病は大丈夫なのだろうか? こっちが心配になってくる。

 

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