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グラース・・・香水の町

香水の町

一日は、日帰りでグラースという町に行った。グラースはカンヌから内陸に向かってバスで40分ぐらい行ったところにある。

この町は香水で有名で、香水の世界の首都といわれ、フランスの香水、香料の類の2/3を生産しているという。香料会社に入社した小生の友人は、入社後しばらくここで勉強したそうだ。

また、グラースは18世紀の画家フラゴナールの出身地でもある。町にはフラゴナール美術館があり、観光ガイドにも出ているので行ってみた。しかし、展示されている作品は少なく、がっかりした。他の美術館に分散してしまっているのだろう。

町にはフラゴナール香水会社があるので、画家の一族が作った会社かと思ったが違った。1926年に会社ができた時、この地の有名な画家の名前を付けただけだそうだ。

グラースには国際香水博物館という珍しい博物館があるので、行ってみた。香水の歴史や製造設備が展示されていた。箱が並んでいて、それぞれの箱から細長い管が出ていて、こっちを向いていた。ボタンを押すと、その管で香水の香りを嗅ぐことができるというので、鼻を近づけてボタンを押した。ところが、その匂いたるや強烈で、目がくらみ、あわや卒倒しそうになった。香水の香りを味わうどころの話ではない。鼻を近づけすぎたか、ボタンを強く押しすぎたようだ。何も注意書きがないのも困ったものだ。一つだけ試して、あとは遠慮した。

 

分かりにくい道

上の写真で分かるように、グラースの町は丘陵の斜面にあり、道が曲がりくねっていて分かりにくい。その上、中には右の絵のように、建物の中を突っ切って狭い道があったりするので、絵の題材としては面白いが、旅行者泣かせだ。

プロヴァンスの芸術と歴史の博物館があるというので、地図を頼りに行こうと思ったが、どうしても場所が分からない。地元の中年の女性が歩いていたので道を尋ねると、「私についてきなさい」と言う。博物館は予想していたよりはるかに小さい建物だった。そのオバチャンはこの博物館で働いていたことがあるそうで、買い物に行く途中のようだったが、わざわざ回り道をして案内してくれた。慣れた道なのだろうが、坂道を登るのが大変そうだった。

この博物館の建物は18世紀に建てられ、この地方の貴族の館だったという。その数部屋に古い調度品や絵などが展示されていた。ただ、展示品も少なく、系統的な展示でもなかった。

 

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