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サント・マルグリット島・・・鉄仮面がいた島

カンヌの港から3kmほど沖合に、サント・マルグリット島(Île Sainte-Marguerite)という島がある。長さ3kmほどの細長い島だ。この島の牢獄に、昔読んだアレクサンドル・デュマの鉄仮面が入れられていたというので、行ってみることにした。

この島は、現在は公園のようになっていて、レストランもあり、カンヌの港から船で15分ぐらいで行ける。昔は要塞があり、右の絵のように、今でも砲台が残っている。17世紀の初めの30年戦争の時の戦いの場の一つで、一時スペインに取られたという。その後は国事犯の牢獄として使われていたのだそうだ。

17世紀の終わりごろ鉄仮面が入れられていたという牢獄の部屋は、大きな建物の1階の広い部屋で、石の壁に囲まれた殺風景な部屋だが、真っ暗らで寒々としたな地下牢などと違い、地中海の明るい陽射しも入り、居心地はそんなに悪くなさそうだった。

この「鉄仮面」のモデルになった囚人が何者だったのかは、いまだに分からないのだそうだ。いや、当時から300年以上経っているので、もう永久に分からないだろう。それだけに、非常に多くの説があり、牢獄の壁には60名の候補者(?)がリストアップされていた。その中には、鉄仮面は実は女だったという説もあって、驚いた。デュマの小説ではルイ14世の双子の兄弟ということになっているが、これは数ある憶測の一つに過ぎないようだ。

 

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