ヨーロッパ今昔シリーズ (9)
ミラノ今昔
酒井 寿紀
はじめに
この「ヨーロッパ今昔シリーズ」を始めたいきさつについては「パリ今昔」の「はじめに」をご覧下さい。
「現在」の写真はすべてGoogleの "Street View" によるものです。
「約100年前」の写真はすべて当時の写真集から取ったものです。
新旧対比表
No. | 約100年前(1900~1920年頃?) | 現在(2021年) |
1 |
ドゥオーモ
(Duomo) |
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2 |
ガッレリア・ヴィットーリオ・エマヌエーレ2世
(Galleria
Vittorio Emanuele II) |
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3 |
ヴィットーリオ・エマヌエーレ2世の像 (Monumento
a Vittorio Emanuele II) |
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4 |
スフォルツェスコ城
(Castello Sforzesco) 元の城は14世紀にヴィスコンティ家によって建てられた。 それを1450年にスフォルツァ家が大幅に改築した。 |
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5 |
ジュゼッペ・ガリバルディの記念碑 (Monumento
a Giuseppe Garibaldi) |
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6 |
「アルコ・デッラ・パーチェ
(平和の門)」 (Arco
della Pace) |
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7 |
「チンクエ・ジョルナーテ (5日間)」の広場と記念碑 (Piazza
e Monumento Cinque Giornate) |
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8 |
アレーナ (Arena) |
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おわりに
スカラ座と「最後の晩餐」の壁画の教会がないのは?
この「ミラノ今昔」を書いていて、どうしても解せないことがあった。
ミラノの著名な観光スポットに、スカラ座と「最後の晩餐」の壁画がある。しかしこの2個所とも本編に使った古い写真集には載ってないのだ。何故なのだろうか?
スカラ座(La Scala)は1778年にオープンし、20世紀の初期には長年にわたってトスカニーニが音楽監督を務めていた、世界的に有名なオペラ劇場の一つである。
「最後の晩餐」の壁画は、1497年に完成したサンタ・マリア・デッレ・グラツィエ(Santa Maria delle Grazie)教会にある。壁画はレオナルド・ダ・ヴィンチが1495-1498年に描いたという。私がここを訪れたのは30年以上前の夕刻でもうかなり暗く、その上絵の汚れや破損が激しかったので、ほとんど何が描かれているのか判別できないような状態だった。その後1978年から約20年かけて大修復をしたので、現在は壁画の状態がはるかによくなっているはずである。但し、修復の正当性については賛否両論あるようだ。
両者とも20世紀初頭には著名な建造物だったと思われるので、古い写真集に載ってないことは何とも不可思議だ。この写真集はミシン目から切り離して使える絵はがきを8枚ほど針金で束ねた簡単な冊子なので、いろいろな種類のものがあり、たまたま私の手元にあるものがスカラ座も「最後の晩餐」も含んでなかったのかも知れない。いずれにしても、今となっては詮索のすべもない。
(完) 2021年6月21日