ヨーロッパ今昔シリーズ (2)
ロンドン今昔
(rev.
1)
酒 井 寿紀
はじめに
この「ヨーロッパ今昔シリーズ」が始まったいきさつについては「パ リ今昔」の「はじめに」をご覧下さい。
新旧対比表
No. | 約100年前(1900~1920年頃?) | 現在(2020年) |
1 |
英国国会議事堂
(Parliament of the United
Kingdom) |
|
2 |
バッキンガム宮殿 (Buckingham
Palace) |
|
3 |
ウェストミンスター寺院 (Westminster
Abbey) |
|
4 |
トラファルガー広場 (Trafalgar
Square) |
|
5 |
チャリング・クロス (Charing
Cross) |
|
6 |
ピ
カデリー・サーカス (Piccadilly
Circus) |
|
7 |
ロ
ンドン橋 (London Bridge) |
|
|
||
8 |
タワー・ブリッジ (Tower
Bridge) |
|
9 |
セント・ポール大聖堂 (St
Paul's Cathedral) |
|
10 |
イングランド銀行と王立取引所 (Bank
of England, Royal Exchange) |
|
11 |
ハイド・パーク・コー
ナー (Hyde
Park Corner) |
|
12 |
王立裁判所 (Royal
Courts of Jstice) |
|
おわりに
ロンドンの新旧対比表を作ってみて感じたことを記しておこう。
「変わったもの」と「変わらないもの」がある
ロンドンにはこの100年間ほとんどまったく変わってないものが多いようだ。例えば、バッキンガム宮殿(No. 2)、トラファルガー広場(No. 4)、タワー・ブリッジ(No. 8)などだ。
一方、まったく似ても似つかぬものになってしまったものもある。その代表はロンドン橋(No. 7)である。
そして、外観はほぼ同じだが、中がまったく変わってしまったものもあるという。チャリング・クロスの旧グランド・ホテル(No. 5)、ピカデリー・サーカスの旧London Pavillion (No. 6)などだ。
その他、セント・ポール大聖堂のように、元の姿に復元するために15年費やしたというものもある。一般に「古いものを残そう」という考えが非常に強いように感 じられる。
そういう意味では、ロンドン橋は例外的存在のようだ。これは、19世紀にも20世紀にも架け替えられた。「ロンドン橋落ちた」という歌と関係があるのだろう か?
Street Viewの限界
ウェストミンスター寺院(No. 3)の古い写真を撮った場所は、現在は建物に埋め尽くされていて、Street Viewで同じような方角から寺院を見ることはできない。
Street Viewの写真は専用の車両の屋根に搭載されたカメラから撮ったものがほとんどなので、歩道や公園の芝生から撮った写真と同じ角度にはならない。例えは、バッキンガム宮殿 (No. 2)だ。しかし最近は人手で撮ったと思われるものもかなり含まれているので、丹念に捜せば、古い写真により近いものが見つかるかもしれない。
前回の「パリ今昔」同様、今回も建物の上の階から撮ったと思われる写真が何枚かあった。例えば、トラファルガー広場(No. 4)、チャリング・クロス(No. 5)、ピカデリー・サーカス(No. 6)などだ。Street Viewにこれらの写真のように、上の方から見下ろしたものを期待することはできない。
(完) 2020年12月4日
(rev. 1) 2023年5月2日