最新　家電事情

 

フランスでインターネットを使って

酒井　寿紀

 

●ホテルで無線LANが可能に！

だいぶ前から，海外に出かけるときはノートパソコンを持参している．国際ローミング・サービスを利用すれば，世界中どこからでも日常使っているメール・アドレスでメールの送受信ができる．そのため，メールを受信した人は，それがどこで発信されたのかまったくわからない．

このように海外でインターネットを使うとき，今までは，持参したノートパソコンのモデムをホテルの部屋の電話線につないでいた．しかし，電話回線を使ったのでは通信速度が遅く，最近の写真などが多いウェブページを見るときはいらいらしていた．

ところが，今回フランスに行ったときは，利用した二つのホテルとも無線LANが使えるようになっていた．トゥルーズのホテルでは，私が利用しているiPassという国際ローミング・サービスの無線LANが使えた．また，パリのホテルには有料の無線LANサービスがあった．おかげで，今回はいらいらせずに済んだ．今後は，旅行先でも電話のダイヤルアップ接続は使われなくなるだろう．

　

●インターネット情報で予定変更

今年の5月下旬のフランスは寒くて風雨が強い日が多かった．トゥルーズを拠点にして，日帰りで，カルカッソンヌ，アルビ，カオールの古い街を訪れることにしていたのだが，主目的がスケッチを描くことだったので雨だと困る．そのため，毎日インターネットでこれらの街の天気を調べ，一番天気が良さそうなところへ出かけた．Yahoo! に，世界各地の小さい都市についてまで，詳しい天気予報が掲載されていて役立った．

この日帰り旅行にはフランスの国鉄を利用した．時刻表がウェブに掲載かれているので，日本でだいたい調べてあったのだが，天候のため利用する曜日が変わったので，現地でも調べなおした．前に行ったスペインやイタリアでも，列車の時刻表がウェブに詳しく載っていた．利用する日にちや出発駅，到着駅で検索できるので，印刷物の時刻表より便利だ．印刷物の時刻表はもう売れないだろう．

アルビやカオールについては，日本のガイドブックにあまり詳しく載ってないので，もっぱらウェブに頼った．オーストラリア人が運営しているサイトに，これらの街の詳しい紹介があり，街の歴史について調べたり，建造物の写真を見たりできた．ウェブを探すと，個人のサイトにも非常に利用価値が高いものがある．ただ，信頼性が疑問なものや，カネ稼ぎが主目的で内容がないものも多いので，選別眼が重要だ．

ニュースはもっぱらウェブで読んだ．ある日何気なくCNNのサイトを開いたら，トップに松岡前農水相の大きな顔写真が出ていて，「自殺」とあったので大変驚いた．詳しく知りたいと思って日本の新聞社のサイトを見たが，まだほとんど掲載してなかった．日本の新聞社は，紙の新聞との競合を警戒してか，まだインターネットへの力の入れ方が及び腰のようだ．

（酒井ITビジネス研究所）